やはり戦争と言う極限状態の人間ドラマを描かせたら、吉村昭の凄みはぐっとくるものがある。小説をあまり読まない自分であるが、彼の著作だけは、気がつくと色々な読書の間に定期的に登場してくる。何か柔らかい気楽な読書の中に、強く重い気持ちを抱かせるものとして選んでしまう。
読書は不思議なもので、実は数週間前とある出張である歴史的な遺構を見学したのであるが、そこに陸奥の砲塔が置かれていた。まあ、そういう意識を持っていたから、この本を読んだのであろうが、旅行で見聞したことと読書の話題が関連することは良くある。
今後も彼の作品を読んでゆくことになるだろう。この文庫本は古本で百円で買ったものなのだが、これだけの時間楽しめ、これだけの知識を思いを得ることが出来て、たった百円なんて、申し訳ない気がする。感謝して、色々と読んでゆこう。
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