2009年1月7日水曜日

読書記録:零戦と戦艦大和

戦争と言う極限状態の中では、人間だけでなく技術についても色々なドラマが生まれている。これら零戦と大和は、戦時中と言う特別な状況であったとは言え、日本らしい技術開発の頂点を見ることが出来る。もちろん歴史の中では、色々な価値判断があることは承知している。
明らかな失敗作というものもあるのかもしれないが、何か特別な性能を高めれば、何か他の条件を犠牲にすることになる。ほぼ全てを満足できたとしたら、経費的に莫大なものとなって量産が出来なくなってしまう。つまり簡単に言えば、微妙なバランスということが。
でも戦争と言う、勝ち負けのはっきりしているプロジェクトでは、その優劣が具体的な数値となって現れてしまうので、どちらがどうと比較することが多い。しかし、その設計条件が時間とともに変化する以上、単純な評価と言うのは万全ではない。
実は商品開発でも研究論文でも、評価と言うものを受けていて、皆に受け入れられたヒット商品や多くの展開研究を生む論文などは、価値の高いものとされる。しかし、ノーベル賞の例を見るまでも無く、これらは時間の経過の中で選別淘汰されていくのだろう。

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