2008年12月2日火曜日

読書記録:大本営が震えた日

あまり小説は読まないが、読むとしたら吉村昭の本が好きだ。ノンフィクションに近いのかもしれないが、単なる記録ではなく記録文学とも言えるもので、飾りの無い文体や内容が気に入っている。題材も戦争や事故や遭難など修羅場を扱っているのも、興味深い。
これは12月8日真珠湾攻撃に始まる太平洋戦争に向けて、特に様々な秘密作成がどのように進められ、そこで思いもかけぬ事故が起こり、どのような苦悩がありどのような迷いがあったのかが記されている。単なる記録ではないが作り話でもない。
このような極限状態に置かれても、人間は意外と対応してしまい破綻せずに任務を遂行してしまうものだと驚いてしまう。その命令や行動が、どのような影響を与え、どのような結末に至るのか、そんなことを考えることも無く、盲目的に突き進んでしまう。
極限状態で無い場合にはもっと単純で、毎日の惰性の中で1日1日を過ごしてしまうことが多い。つまりよほど自分の行動を自分で意識しない限り、安きに流れ、目標を見失ってしまうのだ。自分の行動を自分で決められる今こそ、目標に向かって進みたい。

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