1年前ぐらいに構築したクラスタシステムの手順をドキュメントにして、何かの役に立てばと思いウエブに公開していた。事情があってこのサーバーは閉じたのだが、このドキュメントだけは、テキストファイルとして手元に残していた。検証用で作るシステムなので、作り直すことが多いのであるが、しばらく遠ざかっていた。
今回、このクラスタシステムを合計3箇所で動かすことになり、早急にシステム構築を進めた。一応のドキュメントはあるものの、やはり自分で作ったドキュメントは、どこかで記憶とつながっているのか、大きな障害も無く手早く作業を進めることが出来た。もし、学生スタッフが0から取組んだとしたら、たぶん半年ぐらいはかかるだろうと思う。
もちろん自分はこの手の作業が本業なので、色々な経験を持っていることが大きい。しかし、やはり細かく記されたドキュメントが要であることは、今回、本当に思い知るところとなった。前回とはシステムの条件が違うので、多少は試行錯誤が必要だが、基本的に自分の手順は自分が一番良く理解できるようで、とても助かった。
ドキュメントを作ったときには、自分と同じような作業をする人のために、役に立てばと思って公開したのであり、多少は人様の役に立ったかもしれないが、実は、自分に対して一番役立っている気がする。「情けは他人のためならず」と言うが「ドキュメントは他人のためならず」だと言う気が本当にする。
実はプログラム開発やシステム構築などをしていると思うのは、明日の自分は他人なのだと言う事で、少し経つと自分が何をやったか忘れてしまい、後で痛い目にあるという事だ。作業の最中は自分が一番良く知っているので、ドキュメントを書く意味が無いと思ってしまうが、他人様のために役に立つようにしようと思ってドキュメントを書くことが大切だ。
そうすると、しばらく経った自分は過去の自分から見たら他人である。何かの折に急に何かを実現しないといけないとき、過去の経験をきちんと記録しておけば、そのドキュメントの恩恵を一番受けるのは自分自身なのだと思う。世の中、「真は逆説にあり」と思うことが多い。すこし下がって高いところから見ると、どちらが近道(合理的)かが分かる。
1 件のコメント:
ども、N谷です。論文作成に疲れてネット→先生のブログにたどりつきました。
三枝さんの経営書の話がでて、オッとびっくりしました。前職時代よく読んでいましたし、研究室運営につながるとの意見には大賛成です。
現在の私は、わずかなキャッシュ(能力,体力,スタッフ)を勝てる分野にピンポイントで集中し、細い道を駆け上がらなければいけない段階、頑張ります。
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