これは動物の本ではなく、組織論の寓話である。経営論や組織論は、今自分が最も関心のある問題で、何かヒントになるような本があれば、購入して読むことにしている。この本も書評がよさそうだったので、読んでみたが寓話だけあって、生々しくはないが、本質を言い当てていることが多く、有用な読書になった。
著者は、組織論やリーダーシップ研究での大御所であり、実は多くの調査研究に裏づけられた内容であって、個人的な特殊事例の経験や思い込みの主張ではないので、読んでいて非常に納得がゆく内容である。最後に、「変革を成功させる8段階のプロセス」がまとめられているが、これが非常に有用で、使えそうな内容である。
広告の帯にも「変わらなければ生き残れない」とあるように、我々を取り巻く状況は常に変化しており、これまでの惰性で進める範囲は限られている。積極的に変化してゆくことこそ、安定を生むのだろう。まさに自転車と同じで、止まっていては倒れてしまうので、常に走り続けなければならないのだろう。
とは言え、赤信号で止まったりぶつかりそうになれば、足をついて止まることもある。しかし、それはあくまで小休止で、常にべダルを回し前に進むことが安定を生む不可欠の条件になっているようだ。自分を振り返って見ても、移り気の多さが変化を生み、今の可能性をつかんでいるのだと思える。
0 件のコメント:
コメントを投稿