最近「メンタルヘルス」と言う言葉を良く聞く。その考え方自体には、全く賛同するのであるが、その運用については疑問が多い。つまり、分かりきった表層的な注意事項を並べても何も変化せず、本質的な問題はくすぶったままで、むしろ表面的に対策をとったことになるので、問題が潜在化してしまう可能性が大きいのではと感じる。
この問題は、様々なストレスに対する精神的な変調、さらにそこから展開する体調の異変などを、指すのだろう。自分も人並み以上のストレスの中で仕事をしていると思うので、この様な変調はいつも感じているところだ。しかし、この状況を変えようとするかと言うと、そうでもない。人間の慣れはすごいもので、何とか耐えている。
程度問題だろうが、生きていること自体がストレスとの戦いなのではないだろうか?食べないといけない、眠らないといけない、などの生理的な要求から、学校に行かないと、仕事しないと、家庭の世話をしないと、などの社会的な役割など、本当に、常に何かをしないといけないと意識し続けないといけないのが、本当のところだろう。
であるので、完全にストレスから逃れることは無理で、自分の周りのストレス因子は、とりあえず認めるしかなくて、後は、こちらの受け取り方を工夫することで、つまり柳に風のように、ひらりと受け流す工夫が必要なのだと思う。しかし、そんなこと誰でも知っていることで、ことさら他人様に言われるまでもないことだ。
生命にとっての最大の危機は「死」である。遺伝子をより良く伝えるためには、より長く生きなければならない。なので、この「死に至る問題」については、慎重かつ重視する必要があると思うが、そこまで追い込まれている人にとっては、現在の表面的な対応策が有効とは思えない。無意味とは言わないが効果的ではない。
尽きるところ、その人の人生はその人でしか決められないし、他人が口出しすべきではない。生命の本質である多様性の維持のため、様々に異なった能力や性格などを持つ我々は、同じストレス因子に対しても、受け取り方が大きく異なっていると思う。基本は、「自分を大事にすること」だと思う。
それぞれの人々が本当に自分を大事にすることで、視点を変えれば他人も自分であるから、それを否定することは出来ない。自分を本当に大切にすることが出来れば、他人を尊重することも出来るようになると思う。「自分にとってのより良い人生を生きる」ことを目標とすれば、メンタルヘルスは、解決と思うのだが。
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