これは、三枝匡の経営3部作の最終巻である。不振企業再建の実話をもとにした、ドラマ仕立てになっている。一応、研究室を運営する立場にあり、中小企業の経営者みたいなものなので、どうしたら、大きな研究業績を挙げられるのか、常にそのことばかり考えていて、これは企業経営者の悩みと同じで、多くのビジネス書が出ている中の1つである。
3冊も続けて読むと、それなりに要点が頭に入ってくる。それと同時に共同研究の企業の方にも、色々と相談をしていると、何かうっすらと方向性のようなものが見えてきて、今後の研究室運営に大きな力を発揮してくれるものと期待している。企業と学校は目的も体制も基盤も違うが、人の集まる組織であることには変わりはない。
そう言うと、利潤追求の企業と学生教育の学校では、全く異なる組織で比べることが出来ないと、自分の特殊性を主張する人が居る。でも、そんな人に限って、それを言い訳にしているだけである。目標を決めてそれを達成する組織であるなら、それは企業でも学校でも同じはずである。つまり研究室はベンチャー企業と思っている。
そこで自分が学んだ要点は、以下の3点にまとめられる。
1:具体的で定量的な現状認識の上に、徹底的かつ猛烈な反省論が必要である。
どのような状況を目標としていて、それがどれぐらい出来ていないかを、定量的に認識する。それを組織のスタッフ自身が、自分に役目に置き換えて、どこが出来ていないか、冷静に反省する。
2:精神論では改善は出来ず、具体的な改善の仕組みを作ることが必要である。
小学校の学級会ではあるまいし「みんなで一生懸命やりましょう!」では、何にも変わらないのである。具体的なシステムを作って、意識しなくてもイヤでも改善が進むシステムを作り上げる。
3:しかし最後に重要なのは、リーダーの高い志に基づく行動力が必要である。
スタッフに指示するだけではなく、リーダーの志に基づく行動が周りを巻き込み、組織としての力を結集することが最も大切である。リーダーは最後の最後まで改善の達成まで努力することだ。
先日の研究会でも、共同研究の企業の方から、経営に魔法は無くて、与えられた状況で、工夫に工夫を重ねることで、「自分なりの改善を実現する!」これしかないのであろう。
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